症状別説明

肩こり

 当院において、肩こりは腰痛とならんで特に多い愁訴です。

 

 その症状は、首から肩甲骨周辺に重く鈍い痛みを感じるといった大変不快なものです。 そのために集中力の低下や、頭痛、時にはめまいや吐き気を伴うこともあり、日常生活に大きな支障を来すことさえあります。もしかしたらこの説明文を最期まで読むのさえ辛い人もいるかも知れません。

 

 肩こりはあらゆる年齢層で起こります。南山堂の『医学大辞典』によれば、“小児を除く”とありますが、今の時代では小学生でも肩こりを訴えることは、それ程珍しくありません。

 

 また、原因においても多種多様で、胆石などの内科的な原因、または歯の噛み合わせの問題などでも起こります。

 

 しかし、中でもとりわけ多いのは「肩こり体質」とも言うべき本人の持っている素因や日常の生活習慣や職業的な要因で起こるものが一般的といえます。

 

 特にパソコンを使うことが多いデスクワーク中心の仕事をされている方には多く見られます。

 

 筋肉が長時間緊張し続けると、乳酸がたまってゆきます。通常であれば、乳酸は静脈を流れて肝臓に行き、分解されてエネルギーにリサイクルされますが、それには筋肉によるポンプ作用が働かなければなりません。

 

 それなのに、同じ姿勢をとることによってそのポンプ作用が働かなければ、結果として乳酸がいつまでもとどまることになり、かえって疲労物質として働き、神経に痛みを感じさせます。

 

 デスクワークは長時間同じ姿勢を強いられるのですから、肩こりになるのは至極当然ですね。

 

 肩こりを起こす筋肉で最も知られているのは僧帽筋です。これは西洋の教会の僧がかぶる帽子に似ているということから名づけられたと言われています。

 

 この僧帽筋は、頭の重さを支えるとともに、両腕を吊り下げているような状態ですから、その負担は相当なものです。

 

 その他にも肩甲骨を頚椎から吊っている、肩甲挙筋や首の骨を支えている、頭半棘筋、頭板状筋などがあります。

 

 また、目の働きに関与する筋肉の影響も忘れてはなりません。レンズの厚みを調整する、網様体筋、眼球を動かす筋肉群の疲労も、いわゆる眼精疲労となって肩こりの引き金になったりします。

 

 パソコンの画面は明るく光っていますよね。つまりパソコンのディスプレイを長時間見ているということは、長時間にわたり電球を見続けているのと変わらないということなのです。

 

 これだけの負担が身体にかかるわけですから、デスクワークは大変な重労働なのです。

 

 以上は外的要因について述べましたが、同じ仕事をしていても、肩こりを感じないと言う人もいます。その違いは何なのでしょうか。

 

 もちろん、慢性化して本人が気づいてないような場合もありますが、実際に肩がこらない人も存在するのは事実です。

 

 これは、体質の違いと言ってもいいでしょう。

 

 では、体質の違いはどこから来るのでしょうか?

 

 その一つが骨格の違いです。

 

 多くの場合、肩こり体質の人は、頚椎や上部胸椎に捻れがみられます。特に下部頚椎と上部胸椎の歪みは肩こりを引き起こす原因になりやすいのです。

 

 あなたは写真を撮るときに、頭をもっとまっすぐにしてくださいと言われたりしないでしょうか?。

 これはあなたの頚椎に捻れがあるために、自然と頭が傾いてしまうのです。

 

 頭が傾けば、その重みはどちらか一方の肩にのしかかってきます。

 人にもよりますが、僧帽筋が引っ張られることにより、頭の傾きと反対の肩がこってくるか、あるいは頭の重量がかかるために首と肩のつけ根がピンポイントでこる場合があります。

 

 マッサージのみで筋肉の張りをほぐすことも、一時的には有効ですが、やはり頚椎や胸椎の歪みを矯正しなければ、すぐに症状が再発してしまいます。

 

 治療の手順としては、まず凝り固まった筋肉の緊張を徹底的に弛めます。

 

 一般的なマッサージでは、僧帽筋のような表層の筋肉のみを対象に行われていることが多いようですが、当院では多裂筋や回旋筋および半棘筋といった最も深層にあって、骨格を支持する筋群までを対象に弛めます。

 

 そうすることで、無理のない矯正が可能な状態になるのです。

 

 そして、その矯正ですが、人によって当然適した方法が異なります。それを見極めた上で慎重に選択しなければならないのは言うまでもありません。

 

 そのようにして矯正をすることによって正しい骨格に出来るだけ近づくことが出来れば、しばらくの間は良好な状態が保持できます。

 

 ただ、残念なことにこれで二度と再発することはないように完治させる方法を私は知りません。

 

 単に筋肉をほぐすだけのマッサージよりは効果が持続するようにはなるものの、どうしても長年培った肩こり体質や習慣は変わりませんから、骨格の歪みが再び生じます。それはそれで同様の施術を繰り返してもらうしかないのです。

 

 たかが肩こり、されど肩こりなのです。

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