どちらも同じ疾患で、正式な病名として肩関節周囲炎とか癒着性関節包炎という名称があてられることもあります。
この疾患は40歳代から50歳代にかけて多く発症し、肩の痛みのほか、腕を挙げる、背中をかくといった動作が困難になります。多くが原因は不明です。
整形外科ではホットパック等を用いた温熱療法や運動療法が中心に行われ、一定期間を経て、症状の終息に向かいます。 治癒までにかかる期間は個人差があります。
当院では五十肩の治療を進めて行く上で以下のように3期に分けて考えます。
五十肩急性期:
痛みが日に日に悪化して行く時期で、山登りに例えれば、頂上をめざして登って行くような状態です。 夜中に痛みで目が覚めることもしばしばあります。
五十肩安定期:
痛みがピークに達し、それ以上悪くはならないが、良くもならないという状態が続きます。
五十肩回復期:
山登りに例えれば、下山して行くところです。 痛みの軽減にともない腕の可動域も大きくなって行くので、日常生活の中で出来る動作が増えて行きます。
そして病期によって以下のように治療を進めて行きます。
急性期はとにかく痛みの上昇にブレーキをかけ、ピーク時の痛みを出来るだけ低く抑える事に重点をおき、治療を進めて行きます。就寝時の痛みは回復力を悪くする原因にもなるので、これを鎮めるように施術します。
安定期に入ったら、動作にともなう痛みの改善をめざします。筋肉を緩め、血行を良くするための操作を中心に行います。
回復期は肩関節周囲の深いところに存在する筋肉を中心に弛めながら、関節の可動範囲の改善を目的とした運動療法も併用します。 そうすることで、五十肩発症前の状態まで回復が可能です。
また、この時期はご自身でも積極的にストレッチ等を行って頂く方が早期の回復を期待出来るため、個人個人の生活スタイルに合わせた方法を考え、指導いたします。